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石川議員「親分の言うことは絶対」(読売新聞)

 現職国会議員ら3人が逮捕された、小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件。秘書の統制、不動産の取得など、小沢氏独自の手法を追った。

          ◇

 「親分の言うことは絶対ですから。白と言えば白、黒と言えば黒なんです」

 逮捕された石川知裕衆院議員(36)は周囲に、小沢氏への忠誠心を隠そうともせず、そう語っていた。尊敬する人物を尋ねられると、必ず「小沢一郎」の名前を挙げた。

 早稲田大学で政治サークルに入り、在学中から書生として東京都世田谷区にある小沢氏の自宅に住み込んでいた石川容疑者。この頃、「僕の1日は先生の犬の散歩から始まります」と、故郷・北海道足寄町で小、中学生の時に通った学習塾の女性経営者(58)に、うれしそうに話していた。

 新米秘書時代、小沢氏の自宅で、当時の橋本竜太郎首相からの電話を取ったことがあった。「橋本です。小沢先生はご在宅ですか」。慌てて入浴中の小沢氏に知らせると、「風呂に入っているのに出られるわけがないだろう。出られないと伝えろ」。首相からの電話にも全く動じない小沢氏に、石川容疑者は「すごい人だ」と感銘を受けたという。

     ◎

 小沢氏には、15人前後の秘書がいるとされる。強固な主従関係から、秘書たちは「徒弟」とも呼ばれる。

 石川容疑者も書生時代から、毎朝、門前や庭の掃除、洗車、小鳥の世話などに汗を流した。掃除後にゴミが残っていたり、コピーの紙を両面使わずに1枚でも捨てたりすると、小沢氏や先輩秘書から厳しくしかられた。運転手も務め、道を間違えると、後部座席の小沢氏から席をけられることもあった。

 辞めていく秘書も多かったが、石川容疑者は音を上げず、やがて、「小沢氏の信用を得た秘書が担当する」と言われる経理関係を任されるようになった。2000年には、陸山会の事務担当者に就任。前任は、小沢氏側近として知られる樋高剛・民主党副幹事長。後任は石川容疑者とともに逮捕された池田光智容疑者(32)だった。

 07年3月、民主党衆院議員の辞職に伴う繰り上げ当選で、石川容疑者は念願の国会議員になった。ただ、小沢氏との関係は「大物代議士と秘書そのものだった」と、石川容疑者の元秘書は証言する。

     ◎

 昨年10月7日、東京・永田町の衆院第1議員会館2階の233号室。民主党は1か月余り前の衆院選で政権交代を実現させ、石川容疑者も2期目の当選を果たしていた。読売新聞記者が、今回の事件に発展した陸山会の土地購入問題について尋ねると、それまでにこやかだった石川容疑者が、突然、顔色を変えた。

 「ちょっと、ちょっと、まず、小沢事務所に連絡を取ってみますので。私の方でいい加減なことを言うと……」と、あわてて取材を打ち切った。

 この部屋に東京地検特捜部の捜索が入り、石川容疑者が逮捕されたのは、その約3か月後。石川容疑者の旧友は、「小沢氏への忠誠心が、順法意識をマヒさせてしまったのではないか」と指摘した。

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